あいつ何してる? Vol.16 【昭和50年卒 勅使河原(旧姓木村)先輩】
昭和50年卒の勅使河原晃子(旧姓木村)です。
私が入部したのはまだ女子剣道部が出来てから三期目の時。
今では立大女子剣道部はとても強い様ですが、初心者だらけの私達の時代から考えると隔世の感があります。
女子剣道部は私が一年の時の4年生中森和美先輩の努力でスタートしました。断られても、断られても、入部を熱望し、その熱意に押されて女子の入部が認められたと伺っています。
白い稽古着と白い袴、茶色の銅。小顔で色白の中森先輩が長い髪を束ね、袴を靡かせながら稽古に励む姿は、私にはそれはそれは格好よく見えました。
中森先輩がいなければ女子剣道部は始まらなかったし、私は剣道を4年間、続けることは無かったかもしれません。
私の代の女子部員は3名体制で初心者2名、有段者1名。
私達は、男子学生の憧れの的の女子寮ミッチェル館に住んでいました。
深窓の令嬢の館と言われたミッチェル館に、普通の我々が防具を担いで出入りしていたのを周りの人達はどう見ていたんでしょうね。聞いてみたいものです。
少人数だし、団体戦に出た覚えもなく、ただただ一生懸命稽古をしていたと思います。志木の道場でたっぶり汗をかいた稽古後の風の心地よさを時々思い出します。
男子はそれなりに強くて、主将は韓国遠征などにも選出されていたし、メンバー達は全日本学生剣道優勝大会にもでていました。
同期とは年に数回集まりますが、多少の健康問題はあるものの、全員元気にすごしており、毎回昔話に花が咲き、昔の練習試合、本試合の話になるのですが、何年たっても同じ話で盛り上がるマンネリズムもここまでくるとなかなか偉大です。
さて私の話。卒業後、一般の会社に入社したものの、女子は社会の戦力と思われていない事を実感してしまい鬱々としておりました。
25歳の時何かを変えようと自分にロンドン旅行をプレゼント。
目からうろことはこのことでした。
ロンドンの女性たちは年配者でも昼は語学学校で語学を学び、夜は市民大学で興味を持った事に没頭している。
知の追求に驚きました。日本の女性たちは、他人の目を気にして生きているように思えていましたのでロンドンの女性たちが周りを気にする事も、おもねる事もなく、堂々と闊歩している姿が眩しく見え、私も自分の意見をもって生きたいと切に思いました。今考えると、そう思ったらそのような人生にするよう学んだり努力ればよかっただけという事ですが、わからなかったんですよね。
帰国後、26歳でも受け入れる会社を探し転職。ところが就職したその語学研修の会社は私がボストンに長期出張中に問題をおこして倒産。
帰国後問題解決に奔走していた時、ちょっとした縁で旅行業の方と知り合い、旅行業に身を転じました。
営業職が性に合っていたのか, それ以降40年も個人手配専門の旅行業を続けております。
29歳の時、結婚を機にライフワークバランスを考え先輩と会社を設立。
子育てをしながら、旅行業のライセンスを取り、保育園や学童保育といった行政のサポートを受けながら
営業と会社運営に携わってきましたが、リーマンショックで再び会社倒産の憂き目にあってしまいました。
しかしまだやれるはずと、今度は自分自身の会社を設立、25年が経ちます。
海外旅行が専門で、お客様のしてみたいことを実現させるのは実に面白い。
最近はインターネットが発達して個人でも簡単に旅行手配ができるようになりましたが、それでもまだまだ(今のところは)必要とされているようです。
観光学部が有名な立教ですが、観光とは何の関係もなく学生時代をすごし、旅行業を営むのに何の有利な条件も持ち合わせておりませんが、長年仕事として携わっているとそれなりに人脈も広がり、外部から評価もされるもので、今年の4月26日には観光業の功労者として、国土交通大臣から長官賞を表彰されました。
仕事を続けていたからこその出来事。
ちなみに同期の男子は旭日小授賞を叙勲していています。
長く仕事を続けるという事はすごいです。
卒業後は剣道とは全く無縁で来ていますが、ジム等には通っており、それなりに体は動きます。
もう少し体に刺激が欲しくて、防具がなくてもできるスポーツとして合気道をかじってみましたが、体調を壊してちょっと休止していたらすっかりやる気が無くなり、やっぱり剣道が恋しい。
長いブランクがあってもできる剣道を誰か考案してくれたり、道場を開いてくれる人が現れないかなと思う今日この頃です。
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